そうだ、選べないんだ

ﾀｸｼｰに乗った。
車線変更でｳｨﾝｶｰを出さﾅｲ。
細い道でもｽﾋﾟｰﾄﾞを落とさﾅｲ。
早いｹﾄﾞ、おっそろしい運転手だと思った。

会計を済ませて車を降りた後、
忘れ物がないか確認しようと振り返ったが
ｽｹﾞｰ勢いでﾄﾞｱが閉められてｼｰﾄが見れなかった。
どんだけ急いどんねん！
と、心の中でつっこんだ。
次の瞬間、『ﾄﾞﾝっ！ｶﾞｯｼｬｰﾝ！』
やっぱりね。
そんな気したよ。

普通のﾀｸｼｰならぐるっと回って帰っていく所、
この運転手はﾊﾞｯｸして帰ろうとした。
車の後方には自転車にまたがった姿のまま
倒れてるおじいさん。
なかなか降りてこない運転手。
少し間をおいて降りてきた運転手の第一声は・・・
もちろん「大丈夫？」でしたが、第二声は・・・
「おっちゃん示談でええな？な、ええやろ？」でした。
「とりあえず警察呼んだ方がいいんじゃないですか？」
と言ってみた。すると
「あ、大丈夫です。私が対処しますのでお客さんは行ってください。」
と言う。
続けて、まだ倒れたままのおじいさんに
「どうする？示談でええやんな？」と畳み掛けている。

よくよく車体を見ると光沢のない黒。
明らかにｽﾌﾟﾚｰとかで塗ってる感じ。
あの感じの運転だとそーなるだろう。

被害者の方も大したことなさそうなので
早々にその場を離れましたが、
あのおじいさんはあの運転手に
丸め込まれるんだろうなぁ、と思った。


ﾀｸｼｰやﾊﾞｽ、ﾄﾗｯｸの運転手は
みんなﾌﾟﾛで運転が上手いもんだと思っていたｹﾄﾞ
最近はそうでもないんだと思い直す事故やﾆｭｰｽが多い。
加害者にも被害者にもならないよう気をつけたいが
大概の乗り物は運転手って選べないんだよねぇー。

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